着物買取におけるトラブルとは 母や親族から譲り受けた着物、遺品整理で見つかった着物、着用機会のなくなった着物。現在、日本には約40兆円分の着物の埋蔵在庫があると言われています。

中には不要になった着物を売って処分をしたいと考える方も多く、そんなニーズ合わせ登場したのが「着物買取」サービスです。

しかし近年、そんな着物買取でトラブルが多発しているようです。一体どんなトラブルが起きているのでしょうか?

今回は、着物買取でトラブルに巻き込まれないために、実際のトラブル事例を元に、悪徳業者の見分け方・特徴、トラブルを回避するための方法をご紹介します。

ここがポイント

着物買取でトラブルを避けるには大手企業に依頼するのがおすすめです。バイセルは社員800名以上が在籍する上場企業で、取引成立後も8日以内であればキャンセル可能なクーリングオフ制度を完備している会社のため安心して申し込みをすることが出来ます。

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着物買取とは?

着物買取とは

日本が誇る伝統文化の一つ、着物。

かつては普段着としても着用された着物も、文化の変容とともに着用される機会も随分と減り、現在、日本国内には約40兆円分の着物が出番もなく眠っていると言われています。

そんなご時世に登場したのが着物買取サービスで、「バイセル」「福ちゃん」「まんがくや」といった着物の買取を専門としたサービスも続々登場しています。

着物買取サービスでは、従来の買取サービスと同様、店舗での買取も可能です。しかし持ち運びが大変という着物の性質上、「出張買取」「宅配買取」といったサービスが人気を集めていて、業界のトレンドとなっています。

しかし実はこの「出張買取」と言われるサービスの裏側に思わぬトラブルの種が潜んでいたのです。

”押し買い”が多発?着物の出張買取におけるトラブルとは?

困る女性

出張買取(=訪問購入)におけるトラブルで、もっとも被害が多いのが 、押し買い です。

出張買取とは、自宅まで買取業者が訪問して、自宅にて査定を行い商品を買い取るサービスで、「訪問購入」という言い方もされています。持ち運びの大変な着物を自宅で売却できるのはとても便利ですよね。

ところが中には悪徳業者もいて、

  • 不当に安く買い叩く
  • 何か売るまで帰ろうとしない
  • 断っているにも関わらずしつこく勧誘する

といった悪質な営業をしている業者がいるのです。

もちろん訪問買取におけるこのような行為は、特定商取引法によって固く禁じられています。

法で規制されているにも関わらず、訪問買取による詐欺やトラブルは2010年ごろからふえ続けており、着物買取の現場でも悪質な業者による違法な買取が横行しています。

実は、こういった悪質訪問買取業者の狙いは、着物を買い取ることではないのです。

悪質訪問買取業者の狙いは ”貴金属”

貴金属の押し買いに注意

悪質な訪問買取業者の狙いは、実は着物ではなく ”貴金属”を安く買い叩くことにあります。

2008年にリーマンショックが起こり、金とプラチナの相場は大暴落、貴金属の買取業者が大打撃を受けたのは記憶に新しいですね。その後のおよそ10年、金プラチナの価格は急上昇しました。

それに伴って、国民生活センターへの相談件数もうなぎのぼりに増加、約2年間でなんと30倍です。ニュースなどでも広く取り上げられたいわゆる”押し買い”です。

  • 高齢の母に不用品を買い取ると電話があり、明日取りに来ることを母は了承したと言うが不審なので断りたい。どうすればいいか。
  • 古着を買い取ると業者から電話があり、訪問を了承したが服のほかに貴金属はないかと聞かれ、指輪を買い取られてしまった。クーリング・オフして指輪を取り戻したい。
  • 母が訪問購入業者に貴金属を売却した。クーリング・オフしたいが業者と連絡がつかない。
  • 突然来訪した訪問買取り業者に貴金属等を売却した後、売却していない記念硬貨が数点無くなっている事に気付いた。
  • 不要な靴はないかと業者から電話があり、その後来訪した業者に指輪や靴を売却した。業者の買取額が安すぎるので、クーリング・オフしたい。

独立行政法人 国民生活センター より

こういった悪質な訪問買取業者は、詐欺や恐喝まがいの行為で、相場よりもはるかに低い金額で貴金属を買取ます。中には暴力行為や、盗難といった被害まであるようです。

あとから、電話しても連絡が取れず結局泣き寝入りとなってしまうケースも多いようです。

法規制強化…にも関わらずトラブルは絶えないようです

このような状況から、2015年と2017年、特定商取引法により、訪問買取に対する規制は強化されました。

  • 事業者名の明示
  • 許可をしてない商品の買取勧誘行為の禁止、再勧誘の禁止
  • 買取価格等の必要事項を記載した書面の交付
  • 売却後8日間はクーリングできる

訪問買取業者は上記の項目が義務付けられました。

法規制の強化により、悪質な訪問購入によるトラブルは随分と減り、2018年度、国民生活センターへの相談件数はピーク時4,000件のおよそ半分程度になりました。

・・・そうです、実は今でも年間2,000件以上の相談が寄せられているのです。

「不要な着物買い取ります」と銘打って、訪問したら「貴金属ありませんか?」「つけてないアクセサリーを査定してみませんか?」と要求して、相場よりはるかに安く買い叩く。今でもそんな手口はあとを絶ちません。

相場より安く買い叩くのは違法ではない!?

着物買取トラブル交渉

訪問先で相場より安く買い叩くこの手口、実は違法ではないんです。

50,000円の価値があるプラチナネックレスを、100円で買い取ったとします。もしも買い取った業者が、プラチナネックレスの価値を知っていたとして、例えば「これはシルバーなので価値はありませんよ」といって低い金額で契約に至った場合、『不実告知』となり契約は解除できます。

また、プラチナであるという事実を消費者に告げずに契約行為を行なった場合、『事実不告知』となり、こちらも契約が取り消される可能性は十分にあります。

ただし、この件で詐欺罪が成立するケースは非常に稀です。というのも業者に騙す意志があったのか、この証明が非常に難しいのです。

このような法律の穴をかいくぐり、悪質な訪問購入が横行しているのです。

訪問買取では契約から8日間 ”クーリングオフ” の適用が可能です

クーリングオフでトラブル回避

年間2,000件以上の相談が寄せられる訪問買取によるトラブル。もしも訪問買取で売りたくないものまで売ってしまった、もしくはご家族が押し買いの被害にあったという場合は「クーリングオフ」を利用しましょう。

クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。

独立行政法人 国民生活センター より

簡単に言うと、

「契約後8日間以内であれば、消費者都合のいかなる理由であろうとも、売却した商品を返品してもらえる」

という権利です。どの訪問買取業者も例外なく特定商取引法により義務付けられているので、8日以内に連絡をすれば契約を解除することが可能なのです。(※もちろん買取金額は返す必要があります!)

なおクーリングオフは、買取サービスの中でも訪問買取における契約において適用されています。店頭での買取ではクーリングオフはできないので注意しましょう。

クーリングオフ適用外と思い込ませる悪質な業者も

一方で着物買取業者の中には、クーリングオフができないと思い込ませる悪質な業者も存在します。

例えば、売買契約書に「クーリングオフを行使しない」という欄があり、”Yes”に丸を付けさせるパターン。消費者の中には、「自分で丸を付けてしまったのだからクーリングオフできない」と思い込んでしまう方も多いのです。

しかし実際には、「クーリングオフを行使しない」という欄を売買契約書に設けること自体が違法行為と認められる可能性が高いのです。

改めて申し上げます。訪問買取ではどの業者も例外なく、クーリングオフによる契約の解除に応じる義務があります。

着物の訪問買取でトラブルを避けるには?

評判や口コミ

クーリングオフ制度や、特定商取引法による制限の強化にも関わらず、いまでも訪問買取に関する数多くの相談が国民生活センターに寄せられています。

そこで次に、訪問買取におけるトラブル防止策をご紹介します。

できるだけ貴金属は売らない

着物を訪問買取で売却する場合には、できるだけ貴金属は売らないことを心掛けましょう。

「貴金属はありませんか?1つだけでも」

「アクセサリーはありませんか?見るだけでも」

悪質な業者は言葉巧みに貴金属を買い取ろうとしてきます。可能であれば、「貴金属を持っていない」ときっぱり断ると良いかもしれません。

また、もしも訪問買取業者に貴金属の売却を検討している方は、必ず事前に相場を知った状態で査定に臨みましょう。田中貴金属ネットジャパンといった貴金属専門店のホームページでは貴金属の相場が毎日公表されています。

大体の相場を知っておくことで、不当に安い金額が提示されたときに説明を求めることができ、安く手放してしまう失敗を防げます。また、その買取業者の良し悪しの判断材料としても使うことができますね。

一人で査定を受けない

「わざわざ訪問してもらい長い時間かけて査定してもらったので、手ぶらで帰すのは申し訳ない….」

一人で訪問査定に応じると、このように感じてしまい買取を断れない方が非常に多いのです。

訪問買取は一人で受けるのではなく、自分以外のご家族が在宅しているときに受けることをおすすめします。そして売却を決めるときには、必ず周囲の人に確認を取ってから契約書にサインをしましょう。

自分だけは大丈夫と思わず、トラブルの種は少しでも減らしておくことが重要です。

信頼できる大手企業のサービスを利用する

バイセル

訪問買取ではなく、質屋や買取店舗を利用することも一つの選択肢ですが、売る場所も限られいている着物はやっぱり出張買取が便利ですよね。

そういったときには、信頼できる大手企業の訪問買取サービスを利用することをおすすめします

バイセル福ちゃんまんがくやといった、着物買取業界の大手であれば、訪問買取におけるトラブルの心配は極めて少ないでしょう。

(※大手とはいえ過去に消費者庁から注意を受けていることもあるので貴金属を売る際は慎重に!)

以下のリンクから、安心して利用できるおすすめ着物買取業者10社のランキングもご覧になれます。お時間ある方は、ぜひ合わせてチェックしてみてください。

▶︎おすすめ業社ランキングTOP10はこちらから

おわりに

今回は、着物買取におけるトラブルについてご紹介しました。とても便利な着物の出張買取の裏には、貴金属が不当に安く買い取られるという被害の実態がありました。

悪徳着物買取業社の多くは往々にして、貴金属の相場を知らない高齢層を狙って違法営業を行なっています。

ぜひご自身が被害に遭われないよう、そして、ご家族がこのようなトラブルに巻き込まれないために。

この記事がその一助となれば幸いです。