着物買取を利用した方の口コミや体験談を調べてみると、『不要な着物が高く売れた』『即日で現金化できて満足!』といった価格・サービスに満足している方の声を見つけることができます。
しかし一方で、『300円程度にしかならなくてびっくりした』『二束三文でがっかり…』といった不満の声が散見されるのも事実。
仕立てるときには数十万から、100万円を超えることも珍しくない着物ですので、買取に出せば高値で買い取ってもらえそうなものです。
そこで今回は、着物の買取で買取価格が安くなってしまう理由と、安く見積もられてしまった着物を少しも高く、上手に売る方法をお伝えしていきます。
目次
着物を売ったけど二束三文でがっかり?SNS上の体験談を調査!
まずは、着物を実際に売却した方の中で、買取価格が安くがっかりしてしまったという方の体験談をSNS上で調査してみました。
買取に出した着物+小物三十数点、査定額が3,500円だと。他の買取も多そうやったし、しゃあないかもしれへんけど、けど、ああ😭持ち込むための車のガソリン、高速代より安い。
ほんでもって私の青春(演奏会で何度も着た)はこないに安いんか!?😭
不満やったら全部回収できるけどそれも今更きつい。 pic.twitter.com/qOQIrQBYe1— CHEE (@meachanyukichan) June 23, 2021
家に眠っていた古い着物を査定に出した結果。
0 円
無料で不用品を引き取ってもらったと思おうね…
— 紀伊国亭 むじな 🦡ムジラー🦡 (@mujina_kinokuni) January 12, 2020
今日は実家の買取査定に
きていただきました。結果は12,000円。
金の指輪が1つあっただけで
着物とかは100、200 円💦瀬戸物は木箱入りじゃないと
お値段つかないのね😑置物とかは?って聞いたら
熊の木彫りとかは高値で
買取するって言われたけど
それは私も知ってた😅— **ピーチメルバ (@peacmelba11) July 24, 2021
やはり、着物の買取価格が安いと感じてしまう方は一定数いることが分かります。
着物の買取価格が安く感じてしまうのは購入時との価格差が理由?
着物を新品で仕立てるときには数十万円が相場です。また、訪問着や振袖など格の高い着物を、デパート・百貨店などで購入した場合には100万円を超えることも珍しくありません。
着物の査定価格は、状態や希少性、柄行、格など様々な点を考慮して算出されますが、おおよそ購入時の10~20分の1程度が目安となります。
【関連】着物買取相場【全種類別】素材や作家物ごとの価格まとめ
もちろん一度袖を通せば中古の着物となってしまうので価値が落ちてしまうのは当然なのですが、100万円で仕立てた着物に5~10万円といった査定額を提示されれば、『安い』と感じてしまうのも無理はないでしょう。
それでも着物が二束三文になるケースは珍しい
中古の着物となれば新品時より大きく価値を落としてしまうのは事実です。
また、そもそも数千円~2,3万円程度で購入した比較的低価格帯の着物であれば、数百円といった買取価格になることもある程度納得できます。
しかし、特別な場面で仕立てた着物や、数十万円で仕立てた着物が、大きく価値を落とし二束三文になってしまうのには、中古になってしまったこと以外にまた別な理由があります。
事項では、中古着物が大きく価値を落とし、安くなってしまう理由を紹介していきます。
着物の買取価格が安い理由は?
- シミやカビ汚れ、悪臭などがあり極端に状態の悪い着物
- 生地にポリエステルやウールなど価値の低い素材が使われている着物
- 丈が短い着物
- 証紙や落款などがない着物
- 業者が価値を判別できていない・不当に安く買い叩こうとしている
中古着物が大きく価値を落としてしまう理由には大きく分けて上記の5つが挙げられます。
以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
シミやカビ汚れ、悪臭などがあり極端に状態の悪い着物
高級着物の素材に使われることの多い『正絹(しょうけん)』と呼ばれる素材は、価値も高い反面、湿気に弱いため状態の劣化が早く、定期的に風通しを行わないとシミやカビ汚れが付着してしまいます。
汗や化粧品が付く襟周りや裏地は特に、着用後に汚れを落としてから保管しないと、シミやカビ汚れ、匂いの原因となってしまいます。
着用時に見えない裏地であればそこまで大きく価値を下げませんが、表地にシミやカビが見つかると再販価値が下がるため買取価格が安くなってしまいます。
多少の汚れであれば、買取業者側で落とすことができるため買取可能ですが、極端に状態が悪いと判断されれば二束三文となってしまうケースが多くなります。
【関連】シミ汚れ・カビのある着物は買取可能?自分でクリーニングに出すのは注意!
生地にポリエステルやウールなど価値の低い素材が使われている着物
前項で触れた正絹以外では、ポリエステルやウールといった素材も着物の生地として使われます。
ポリエステルなどの化学繊維・ウールの着物は素材自体に大きな価値はなく、購入時の価格も比較的安価です。
中古市場では、新品ではやや手が出しづらい高級着物の需要が大きいため、元から安価である着物は買取価格も安くなってしまうのです。
中にはポリエステル着物でも、『きもの英』や『撫松庵』といった有名ブランドの場合もありますので、その場合高額買取の期待ができますが、一般的な化繊の着物は二束三文となってしまう可能性があることも留意しておきましょう。
【関連】【ポリエステル・ウールの着物】買取で売れる?買取相場&より高く売るためのコツ
丈が短い着物
両親や親族が所有していた古い着物の処分を頼まれ査定を受けるという方も多いのではないでしょうか。
30年以上前の古い着物は丈が短く安くなってしまうケースもあります。
というのも、当時の日本人の平均身長は今より5cm以上低かったため、当時の着物では丈が足りず着用できないこともあるのです。
長い分には仕立て直すことができるのですが、短いと着用できる人が限られるため価値を落としてしまうのです。
具体的な長さとしては、身丈が160cm程度あれば買取価格のアップにつながります。なお、以前当サイトでバイセルの買取サービスを体験した際には、「2つ折りにして80cm以上」が基準になるとのお話でした。
【関連】バイセル着物買取の利用の流れ【査定当日レポ】口コミ評判・買取相場を検証
証紙や落款などがない着物
証紙(しょうし)・落款(らっかん)は、着物の価値を判別する上で重要です。
証紙は、たとう紙の中に着物と一緒に保管されていることが多いので、査定前に、たとう紙の中と、タンスの中を確認しておきましょう。
落款は、消えてしまっている場合にはしょうがないですが、一般的に着物のおくみ(着物の襟の下にある部分)か衿先に捺されています。査定の際には査定員に確認してもらうようにしましょう。
なお、本場大島紬の査定では、証紙の有無で10分の1程度まで価格が落ちてしまうケースもあります。(着物専門の業者であれば、証紙や落款がなくても価値の判別は可能ですが、再販時に価値を落としてしまうため買取価格に影響してきます)
業者が価値を判別できていない・不当に安く買い叩こうとしている
悪徳業者に遭ってしまった場合には、業者が価値を判別できていない、もしくは価値を知りながら不当に安く買い叩こうとしていることも考えられます。
残念なことですが、着物ではなく、貴金属やブランド品をターゲットとして、出張買取を行なっている悪徳着物買取業者も存在します。
法律による取締は年々強化されていますが、高齢者を食い物にする詐欺まがいの悪徳業者は跡を絶ちません。そのため着物の買取では、適正価格で買取を行う信頼のできる業者に査定を依頼するのも重要なポイントとなってきます。
【関連】着物買取のトラブル事例【押し買い注意】悪徳業者の見分け方と回避方法
上記が着物が二足三文となってしまう主な要因です。
ただし要因があるということは対策もあるのです。事項では、着物をより高く売るためのポイントを紹介していきます。
二束三文だからと諦めてしまうのではなく、以下の内容を参考にしてより納得のいく売却額を目指しましょう。
着物を二束三文で手放さないために!着物を高く売るポイント
着物を二束三文の安い価格で手放してしまわないために、着物を売却する際には以下のポイントを押さえておきましょう。
- 状態が劣化する前の早めの売却
- 査定前にクリーニングに出さない
- 売却先を間違えない
以下でそれぞれ詳しく見ていきます。
状態が劣化する前の早めの売却
着物の状態は、価格を決定する上で最も重要な要素と言っても過言ではありません。
ご自身の着物で定期的にお手入れを行っているという方であれば、そこまで急激な劣化はないですが、両親や親族の着物、着る機会がなくタンスに眠らせている着物は、状態が劣化してしまう前の早めの売却がおすすめです。
査定前にクリーニングに出さない
状態が良いと買取価格にプラスに働くのは間違いありませんが、シミやカビなどの汚れを無理に落としたり、クリーニングに出すことはおすすめしません。
着物買取業者は自社でクリーニング設備を持っている場合が多く、皆さんがクリーニング店に依頼するよりも低コストでよりキレイにすることができます。
クリーニング代を買取価格として回収できるとは限らないのです。ちなみに当サイトでは以前ザゴールドさんの査定員さんにインタビューを行っており、その際も査定前にクリーニングに出さないで欲しいとのことでした。
【関連】ザ・ゴールド着物買取の口コミ評判と買取価格を徹底検証!
売却先を間違えない
悪徳業者や、査定技術を持っていない業者に依頼すると、価値のある着物でも安価で手放すことなってしまいます。
中古着物の査定は専門知識を要するため、鑑識眼のない業者に依頼すると価値を見落とされたまま査定されてしまいますし、最悪の場合1kg=1円といった重量での査定となることもあります。
着物の売却先としては、安心の大手、且つ着物買取の専門業者の利用がおすすめです。
バイセルや福ちゃんといった着物買取で知名度の高いサービス、ザゴールドのような全国に店舗を展開する大手など、信頼できる業者を選定しましょう。
着物買取が二束三文で安い理由まとめ
今回は着物買取が二束三文で安くなってしまう理由をご紹介しました。
実際に数百円の査定額となる着物もあることは事実です。ですが、安く手放さないために対策できることもあります。
皆さんが実際に売却する際には、今回紹介した高く売るためのポイントも押さえて満足できる買取価格を目指してくださいね。
また、もし仮に査定を受けた結果、「安くて売りたくない」ということもあるかもしれません。着物は業者によっても買取価格が大きく変わる可能性もありますので、そういった場合には複数社を利用することも視野に、納得行く売却を実現させましょう。