着物が似合う体型とはどんな体型なのでしょうか?せっかく着物を着るなら似合うと言われたいですし、自分の体型が着物に合っている体系かどうかというのは気になるものですよね。
今回は着物が似合う体型や、着物がよりきれいに見える着こなし方について説明をしていきます。
既に着物をお持ちの方も、これから着物にチャレンジしてみようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
着物は元々日本人に合うように作られている
日本人は着物が一番似合うというフレーズをTVや雑誌で目にすることもありますが、民族衣装はその民族の体型に合わせて作られるものであり、気候や生活の仕方はもちろん、体型が美しく見えるようにも計算されて作られています。
つまり日本人だから着物が似合うというより、着物が元々日本人の体型に合うように作られているというわけですね。
そもそも日本人は肩幅、ウエスト、ヒップが比較的まっすぐで長方形の体型の人が多く、こういったタイプの体型の方は着物美人になりやすい、という事になります。

着物が元々日本人に合うように作られていたなんて、知らなかったわ

日本人だと上の図のI型の体型の方が多く、他の3つの体型より着物がきれいに見えるんですよ。
着物が似合う体型一覧
上記で着物が似合うのはくびれなどのメリハリが少ない長方形型の体型の方だという話をしましたが、もう少し細かく分類すると、下記のようになります。
- なで肩の人
- 身体に凹凸が少ない人
- 首が細くてきれいな人
- 脚が長すぎない人
では、次に実際に着物に似合う体型についてそれぞれ詳細にみていきましょう。
1.なで肩の人
昔の人は肩が下がったなで肩の人が多かったため、着物もなで肩の人が着るときれいに見えるように作られています。
反対に肩が角ばった怒り肩の場合どうしても肩のラインと尖った形が見えてしまうのでたくましい印象を与えてしまい、着物が持つ繊細で可憐なイメージとマッチしづらくなってしまうのです。
ただし、最近の日本人の女性では怒り肩の体格の良い女性も増えてきているので、「怒り肩だから」「肩周りがごついから」という理由だけで着物を敬遠するのはもったいないです。
なで肩は実は”姿勢で作られる”と言われており、なるべく左右の肩甲骨が背中で背骨にむかって近づくようにして、両肩を下げる事でなで肩に見えるようになるので、ぜひ意識してみましょう。歌舞伎女形役者の着付けについて、文献では下記のように記載されています。
すべて女形を務めますには両の腎を後ろへ引て貝がら骨と貝がら骨を附けるやうにすると、衿がぬけて撫で肩になって見えます、そうして動作の中に成べく身体から腎を離さないのが本当です
(大丸弘「現代和服の変貌Ⅱ– 着装理念の構造と変容–」『国立民俗学博物館研究報告』10巻1号)
2.身体に凹凸が少ない人
また、身体に凹凸が少ない人も着物が似合うと言われています。
一般的な洋服はバストやヒップが出ているメリハリのある体型の方に似合うように設計されています。一方で着物はバストとヒップとウエストの差があまりない方が着る事で円柱型に見え、よりきれいに見えるように設計されています。
ほとんどの女性は体のラインがしっかりしたプロポーションになる事を望むと思いますが、それとは逆に凹凸の少ない形の方が着物は似合うというわけですね。
しかし、胸が大きめの方はさらしや和装用の下着を使う事で補正することが出来ますし、くびれがはっきりしている方はタオルと伊達締めだけあれば矯正することが出来ます。(伊達締めは着物と長襦袢の衿合わせがずれないように止めておくために使われるものです。)
3.首が細くて長い人
着物の特徴の1つとして、首元がすっきりしたように見えるというところがあります。
首が長くて細い人は、うなじや襟元の形がよりきれいに見えるので、着物が似合う体型と言って良いでしょう。
反対に首が太かったり、短かったりすると首元に余裕がないように見えて窮屈な印象になってしまいます。欧米などの海外の方は日本人よりがっちりした体型の方が多いので、着物を着た時に上記のように少し窮屈な印象を与えてしまう事もあります。
しかし、首が太くて短いからといって着物を着るのをあきらめる必要はありません。意識して背筋を伸ばして肩を下げて姿勢をよくするだけで首元はきれいに見えますし、首を細くて長くするためのストレッチなどもあるようですので気になる方は調べてみてくださいね。
4.脚が長すぎない人
意外かもしれませんが、脚が長すぎないというのも着物を着た時にきれいに見える1つの条件と言えます。
昨今では脚が長いというのがきれいなプロポーションとして思われがちですが、着物の場合は脚が長すぎない=腰の位置が高すぎない方が着た時にきれいなシルエットになります。
これが腰の位置が高いと帯の位置が上がってしまい子供っぽく見えてしまうのが原因と言われています。西洋の方が着物を着た時になんとなく違和感があるのは上記が原因のことが多いです。
誰でもできる!着物をきれいに見せるコツ
1.体型を補正する
前述したとおり、身体に凹凸がない方が着物をきれいに見せる事が出来ます。しかし、体型は生まれ持ったものもありますし、努力だけでは修正できないところもありますよね。そんなときは小物を使って体型を補正する事も出来ます。実際に着物に慣れている方で補正している方もいらっしゃいます。
下記にいくつかパターン別に書いてみますので、体型の補正を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
体型の補正(1)バストを補正する
着物を着た時にバストが大きいと、セクシーではあるのですが、着物が持つはんなりとした雰囲気が出せなくなってしまいます。
バストが大きい方が着物を着る時は、和装用のブラジャーを使用するか、さらしなどを使用すると良いでしょう。また、胸を小さく見せるのではなく、タオルやさらしを腰に巻いた上でウエスト補正用用具で固定し、凹凸を少なく見せるという方法もあります。
ウエスト補正用具は手軽に買うことが出来、腰椎コルセットのように体に巻いてテープで止めるだけで使用できますのでとても簡単です。
体型の補正(2)腰周りを補正する
くびれがあると帯もくびれに合わせて曲がってしまうので、着物を着る時はくびれがない方がより美しく見えます。帯にシワがいかず、筒状に見える方が着物姿はきれいに見えるのですね。
着物を着た時にくびれが目立ってしまう方は、タオルと伊達締めで補正しましょう。
下記の動画で分かりやすく説明されていますので、腰周りを補正される方は参考にしてみてください。
また、ウエストパットとヒップパットという補正着も販売されているので、そちらを使用しても良いでしょう。着物の補正着は着物専門店やAmazonなどのサイトで手軽に購入することが出来ます。
体型の補正(3)ヒップを補正する
ウエストと比較してヒップが目立つ方はヒップも補正した方が着物姿をよりきれいに見せる事が出来ます。
前述したヒップパッドで補正するやり方や、ヒップを強く締め付けてくれる女性用のボクサーパンツを着るのも1つの方法です。
補正ではなく根本的にお尻を小さくしたい!という方には下記のエクササイズがおすすめです。隙間時間にチャレンジできますので、ぜひ試してみてくださいね。
体系の補正(4)極端になで肩の場合は綿パットで補正する
引用:amazon
着物は優しい印象や華奢な印象を与えるので肩の形がはっきりとしたいかり肩の人よりもなで肩の人のほうが似合うと言われています。
しかし、極端ななで肩の場合は肩に綿パッドを入れて補正するというという方法もあります。
肩に綿パッドを入れた不自然になる場合は肩パッドが縫い込まれた着物用の肌着を試してみましょう。
着物の似合う体型ときれいに見える着こなし方:まとめ
今回は着物が似合う体型やもっと着物が似合うようになる着こなし方について見ていきましたがいかがでしたでしょうか?
もしご自身が着物に似合う体型でなかったとしても、姿勢を正したり体型を矯正する事で着物を着ている姿をよりきれいに見せる事も可能になってきます。
着物の世界は大変奥が深く、また日本の伝統文化として今後も受け継がれていくものですので、着物ライフをより楽しいものにするためにこの記事が少しでも参考になれば幸いです。